新人研修のグループワークの目的と実施のポイントとは
グループワークという言葉を知っていても、具体的にどういったものなのか知らない人もいるのではないでしょうか。
ここでは新人研修のために行うグループワークについて、目的やポイント、具体例などを中心に解説していきます。
目次
新人研修におけるグループワークの目的とは
グループワークを新人研修に組み込む目的には、以下のようなものがあります。
他の社員との交流を促す
グループワークは、その名の通り複数の人間が1つのグループを作って共通の目標を達成します。
そのためには参加者がお互いにコミュニケーションを取る必要があります。
チームビルディングをする
共通の課題をこなすことを通じてチームワークの大切さを学ぶことができ、強いチームを作るための意識を持てるようになります。
チームでの動き方を学ぶ
チームで動くとは「チーム全員が同じことをする」のではなく、「チーム全員が同じ目標を達成するために別々のことをする」ということです。
そのような意識付けをグループワークで体得することができます。
新人研修におけるグループワーク実施のポイントとは
なんとなく新人をグループ分けし、課題を与えて「グループワークをしてください」といっても有効な効果が望めないかもしれません。
グループワークを実施するにはどのような部分に気を付ければいいのでしょうか。
最初は運営する側がリードを行う
参加者がスムーズにグループワークに移ることができるように、最初は運営サイドが指示を出すといいでしょう。
指示といっても難しいものではありません。
グループ内での自己紹介を促したり、グループのリーダーを決めるように指示したりすれば問題ありません。
それに加えて、グループワークにおける最低限のルールを伝える等も進行上大切です。
研修の最後にフィードバックの時間を作る
グループワークをしても、その結果をそのままにするのではなく、参加者全員でフィードバックを行うようにしましょう。
それによって参加者は他の参加者の行動から学ぶことがより多く見つけられる可能性がありますし、自分の行動を反省する機会を得られます。
また、グループごとのフィードバックを共有すれば様々なことを学べるかもしれません。
グループワークのお題の例1:コンセンサスゲーム(NASAゲーム)
「月面にある母船から320km離れた位置に不時着した宇宙飛行士のグループ」という設定で行うチーム対抗型のゲームです。
乗っていた宇宙船には破損していないアイテムが15個あり、各アイテムに優先度を付けていきます。
最初は個人で15のアイテムに優先度を付けていき、その結果を持ち寄ってグループとしての優先度を決めるという手順を取ります。
優先度には公式の答えがあり、それに近いグループが勝利となります。
これによって「合意形成の行い方」や「協調的な問題解決の重要性」とともに「自己の意思決定の傾向」を学ぶことができます。
1つのグループは4~6人で、複数のグループを作ってください。
時間配分は以下のようにするのがおすすめです。
・ルール説明:5分
・個人の優先度付け:10~15分
・グループとしての優先度付け:15~30分
・答え合わせ:10分
・フィードバック:10~15分
グループワークのお題の例2:ペーパータワーforビジネス
20枚の紙をいかに高く積み上げられるかをグループ同士で競うゲームです。
最初に紙2枚を使った作戦タイムが与えられ、その後の建築タイムで時間内に紙を積み上げていきます。
不正がないように計測した結果、1cmにつき10万円分のチップがグループに与えられます。
その後決算処理を行い、来期用の紙(1枚=チップ10万円分)を仕入れてメンバーの給与を決め、税金を支払って、利益を確定させます。
これを4回繰り返します。
企業のお金の流れを簡易的にとは言え体験できますし、その場でPDCAを実行して改善する経験もできるグループワークです。
1つのグループは4~6人で、複数のグループを作ってください。
時間配分の参考例は以下です。
・ルール説明:10~15分
・作戦タイム:5分
・建築タイム:5分
他の部分には明確なタイムを設けませんが、全体で1~2時間程度が理想です。
グループワークを利用して効果的な研修を
グループワークを体験した社員はそこで様々なものを実感し、体得することができます。
スムーズなグループワークを行うために適切な運営を行い、フィードバックをしっかり行えば学習効果も高まるはずです。
ぜひ新人研修にグループワークを取り入れてみてください。